子供の歯磨きは「乳歯が生え始めた頃」から始めたほうがいいとの情報を知っている方も多いと思います。また、一般的にはお口の中を清潔に保つ意味でも、幼い頃からお口の中を拭うなどの口腔ケアに慣れさせておくことが大切といわれています。しかし現実には、乳児のうちからやっていたのに、「子どもが歯磨きを嫌がってしまう」などの悩みを抱えるパパ・ママも多いのではないでしょうか。
歯磨きの重要性は子どもに伝わりにくく、嫌な行為だと思われてしまうことが多いものです。
そこで今回は、今日からできる「はみがきイヤ!」の対処法をご紹介いたします。
歯磨きを嫌がる理由
●口の中への異物侵入への恐怖心・不快感
歯科へ行き、自分の口の中を治療されている場面を想像してみてください。目的が分かってる大人でさえも気分の良いものではないはずです。ましてや「虫歯が痛いもの」「虫歯治療は大変」など真意で歯磨きの必要性の理解が難しい小さな子どもにとっては、尚のこと口の中をかき回されるよく分からない儀式でしかありません。また、子どもにとって目で見えないところをガチャガチャされることは恐怖心があることを忘れてはいけません。
●口の中が痛い・違和感がある

小さい子どもの口の中は敏感で、特に歯茎の上唇小帯への接触には注意が必要です。痛い経験を繰り返すと、よけいに歯磨きが嫌いになってしまいます。また場所を問わず痛がっている場合は、仕上げ磨きの力が強い可能性があります。ペングリップ(鉛筆持ち)にするなど、持ち方を含めて力加減を見直してみてください。
●怒られるのがイヤ
子どもが歯磨きを嫌がった際に「少し我慢しなさい!」「動くな!」「口を開けろ!」と怒ってしまうことが度々ある方は要注意。何度も怒られてしまうと「歯磨き=怒られる」というイメージが定着してしまいます。また、歯磨き中に体を押さえつけて行うのは恐怖心の植え付けにもなるのでお勧めできません。なるべく怒らず、歯磨きに対して悪いイメージを与えないように心がけてください。
●タイミング
子どもが自分の好きな遊びに夢中になっている時に声を掛けても乗り気になる可能性は低いです。親の都合で声をかけて、済ませようとするのは上手くいかないことが多いかもしれません。
歯磨きを嫌がる子どもへの対処法
●歯磨き部位を変更するとき、一度口から歯ブラシを取り出す
目で見えない状況が長時間続くのは子どもにとって苦痛です。歯を磨く部位を変更するときは、一度口外へ歯ブラシを出して、再び磨き始めるの繰り返しを行うことで、安心感を織り交ぜます。
●どこを磨くのかを伝える
・口頭で伝えたり、ホッペタを触りながら、「今からココを磨くよー」と子どもにメッセージを常に送り安心させてあげてください。
●どれぐらいの時間磨くのか分かるように工夫する
事前に何秒づつ磨くのかを伝え、終わりの時間を聴覚化して把握できるようにしてみてください。ゆっくり数唱することで尺の調整をします。また、ただの数唱ではダメな場合、好きな歌を利用する方法もあります。
●歯磨きの順番の統一
どこから磨きだしてどこで終えるのか、一連の流れを毎回同じにすることで子どもにとっての流れをつくります。毎回違う順番で適当に行うと、普段と異なる「違和感」に繋がり、途中で不安になりイヤになる子も。特に小さい子の場合は注意してみて下さい。何気ない「いつもと同じ」が、子どもにとっての安心感に繋がる場面は多いですよ。
●タイミング
寝る直前に拘らず、パパ・ママと向き合っている機嫌の良いタイミングを見計らって誘導してみてください。
歯磨き道具の選び方

●子ども用歯ブラシを選ぶ
大人用のものだとブラシ部分が大きすぎたり、ブラシそのものが固すぎたりするので子供にとって使い心地は良くありません。また、毛が硬いと異物と認識しやすく、抵抗感が強まる恐れも。受け入れやすいのは、子ども用歯ブラシのソフトタイプを選んであげてください。
●毛先が丸いものを選ぶ
ブラシの先端が丸くなっていることで、歯茎に当たったときの刺激が弱くなり子供も安心して歯磨きができます。
●子どもに使いたい歯ブラシやコップを選ばせる
好きな色や好きなキャラクターがある場合、そのデザインが施された歯ブラシを選ぶのも一案。物に愛着をもたせることで受け入れを良くする効果が期待できます。
●子どもに使いたい歯磨き粉を選ばせる
子どもが味しいと感じる歯磨き粉を使うと、受け入れが良くなる場合があります。ミックスフルーツ味やグレープ味など、フルーツ系の甘めな物が多く出回っているので好きな物を選びやすいです。また子ども向けの歯磨き粉の多くは泡立ちの少ないものが多く、横垂れ防止にも繋がります。一方で、大人用のミント系配合などスースーするものは、苦手な子どもがが多いのでおすすめできません。
最後に
「自歯」の温存は人生の幸福度に影響すると言われ始めています。歯とは「一生もの」であり、お金では買えないもの。本当に大切にしなければならないとの認識を、ゆっくり丁寧に子どもに伝えていくことが大切です。今回は我が家で実践した、嫌がる歯磨きの脱却にむけた具体的な方法と、実際に使用している商品をリンクでご紹介させていただきました。少しでも誰かのお役に立てれば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
おわり。